久々に面白い文庫本を読みました。1984年の元都知事 石原慎太郎による「秘祭」です。
人口わずか十七人、南西諸島の絶海の孤島をリゾート化すべく、観光会社の青年が島に赴任してきた。前任者が死を遂げたこの島で、彼はいつしか島の女タカ子の魅力に引き込まれて行く。彼が忌ましい島の秘密に気づいた時、年に一度の祭が幕を開けた…。古代からの因習と共同体の掟に縛られた亜熱帯の離島を舞台に、人間存在の秘められた深淵を浮かび上がらせる恐怖と衝撃の長編。
八重山の離島には今だ「秘祭」と呼ばれるお祭りがあって、昔からの信仰や因習に基づいて執り行われる儀式は「写真撮影や録音絶対禁止」とゆうような規則があったりもして、その一部は観光客など島外の人間は決して覗くことのできない神聖なものなのです。
本書の舞台は恐らく新城島(あらぐすくじま)。ハラハラドキドキする展開であっとゆう間に読んでしまいました。アカマタとクロマタの描写は感動しました。フィクションだけど一部は本当にありそうな話ですね。八重山地方の豊年祭にはタイミングが合わずまだ行けてないので、一度観に行ってみたいです。
石原慎太郎は「太陽の季節」しか読んだことが無かったのですが、これもななかなか面白い作品でした。八重山好きは要チェックです。
いつか佐藤健寿さんとかが「秘祭遺産」みたいな感じで八重山の秘祭をまとめてくれないかな。
LINK >> 秘祭 / 石原慎太郎